書評 金柄憲著『赤い水曜日-慰安婦運動30年の嘘』(文藝春秋 2022年)
評者 国際歴史論戦研究所所長 山本優美子
日韓協力、慰安婦問題解決への重要な一冊
著者の金柄憲氏は研究だけでなく信念と行動の人だ。「日本軍慰安婦 3大詐欺 強制動員説! 性奴隷説!
戦争犯罪説!」と書いたプラカードを掲げて「世界中あちこちに慰安婦像を立てて何がえらいんですか!?」と正義連(旧挺対協)水曜デモの目の前で慰安婦像撤去を求める街頭活動を続けてきた。
2019年から始まった金氏の活動はソウルに留まらず、慰安婦像が設置されている韓国各地でこれまで百数十回の街頭活動を行っている。更には独ベルリン、名古屋、東京にも遠征し、像設置を計画している米フィラデルフィアへの抗議書簡、国連の委員会にも意見書を送った。身の危険を顧みずにこれだけの活動を継続しているのには頭が下がる。
2021年1月にソウルで開催された韓国保守大演説会で、金氏は演説をこのように締めくくっている。
「30年間一貫して嘘をつき続けた正義連がこの地から消える日には、この地に正義が正しく立つであろうし、破綻寸前にまで至った韓日関係が回復し、ひいては韓日関係は鉄壁のように強固になることを確信します。
その日のために私たち皆で力を合わせましょう。 大韓民国の未来は私たち皆の手にかかっています。」
そもそも慰安婦問題に火を着け、韓国や国際社会に広めたのは一部の日本人だ。そういった日本人は今でも国内外で「慰安婦=性奴隷」話を煽り続けている。
日韓関係が拗れる原因の一つとなった慰安婦問題。両国の次の世代の為にも私たちの世代が日韓で力を合わせて終わらせなくてはならない。
金氏が纏めた研究・調査・証拠資料と闘いの記録の「赤い水曜日」は、この問題解決に向けて日韓両方にとっての重要な一冊である。
金柄憲氏のこれまでの活動の写真、動画、声明文など、私の管理する「なでしこアクション」のウェブサイトに掲載しています。是非ご覧ください。
http://nadesiko-action.org/?cat=33