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2019 年(令和元年)10 月 24 日
国際歴史論戦研究所(iRICH)

2019 年(令和元年)は、日本がパリ講和会議の国際連盟規約草案検討委員会において、 まだ世界的にも反対意見が非常に強い中で、毅然と人種差別撤廃提案をしてからちょうど 100 周年に当たります。われわれ国際歴史論戦研究所(iRICH)は、2018 年から、翌年(2019 年)の 100 周年記念に向けて、日本の人種差別撤廃運動をしっかりと顕彰するための様々 な活動を積極的に展開して参りました。それと同時に、外務省をはじめ、日本政府に対し ても、この日本の高邁な人種差別撤廃運動の存在を世界に広く知らしめると同時に、この テーマが日本国民のプライドを回復させる契機となるよう国内でも周知してほしいと要望 して参りました。

この度、安倍晋三内閣総理大臣が、2019 年 10 月 4 日に召集された第 200 回国会の所信 表明演説において、日本の人種差別撤廃提案100周年について踏み込んで言及されことを、 当研究所は心から歓迎します。 安倍総理は、演説の中で「一千万人もの戦死者を出した悲惨な戦争(第 1 次世界大戦) を経て、どういう世界を創っていくのか。新しい時代に向けた理想、未来を見据えた新し い原則として、(1919 年、)日本は人種平等を掲げました。」と述べ、さらに、「日本が掲げ た大いなる理想は、世紀を越えて、今、国際人権規約をはじめ国際社会の基本原則となっ ています。今を生きる私たちもまた、令和の新しい時代、その先を見据えながら、この国 の目指す形、その理想をしっかりと掲げるべき時です。」と締めくくりました。

1919 年(大正 8 年)から、日本は世界のリーダーとして、一貫して人種差別撤廃運動を 発議、展開してきました。今日、その高い理念が国連等の場で実現されています。安倍総 理の締めくくりの言葉は、わが国がこの 100 年間積み上げてきたこの分野における多大な 尽力に対する正当な評価といえます。令和の時代に生きるわれわれとしても、世界をリー ドするような高い理念を掲げなければなりません。現在の世界においては、中国、ロシア をはじめとして、全体主義的な大国の台頭が著しい一方、これまで世界を牽引してきたア メリカは、理念を欠く傾向がみられます。そうした中、わが国は、西ヨーロッパ諸国と共 に、自由民主主義社会の理念の下に、国際社会を教導していくような心構えを持つべきで 2 しょう。それが、21 世紀の世界における日本の役割ではないでしょうか。

第 2 次世界大戦後は、100 カ国以上の国々が、欧米植民地から解放され、国家の独立と民 族自決を実現しましたが、これも、わが国の一貫した人種平等運動によって、各国が触発、 激励されたことの偉大な成果です。しかしながら、第 2 次世界大戦後、GHQ の徹底した洗 脳によって、多くの日本人はいまだに、自虐史観に陥ったままでいます。また、世界的に も、まだ、多くの人々が、東京裁判史観(戦勝国史観)にとらわれているのが実情です。 そうした人たちにとっては、日本が人権、人道の分野で大きな貢献をしたと認めるのは難 しいのかもしれませんが、歴史的事実を客観的、科学的に直視すれば、日本の尽力によっ て、戦後、非常に多くの国々が独立を達成したことは明白な事実です。世界史全体を振り 返ってみても、人権、人道の分野で、わが国ほど貢献を果たしてきた国が、歴史上あった でしょうか。今日の日本国民は、自分たちの祖先が国際社会において遺した偉大な業績を 誇りとすべきです。

このような趣旨の下、このテーマに関する外務省関係者の発言がありました。2018 年 8 月 16 日、ジュネーブの国連人種差別撤廃委員会(CERD)日本審査セッションの日本政府 代表による開会スピーチの冒頭において、大鷹正人外務省総合外交政策局審議官(当時) は、「99 年前に、国際社会が、日本政府のイニシアチブと共に、パリ講和会議で人種差別の 問題に取り組む最初のステップを取った」と発言されました。さらに、2019 年 2 月 26 日、 ジュネーブの国連人権理事会(UNHRC)第 40 回定例会合において、辻清人外務大臣政務 官(当時)が、日本の人種差別撤廃提案 100 周年について言及されました。

ここでわれわれ国際歴史論戦研究所(iRICH)が、このテーマに関する主な活動を紹介 させていただきたいと思います。まず、2018 年 8 月 16 日、ジュネーブの国連人種差別撤廃委員会(CERD)の日本審査の折、「NGO によるランチタイム・ブリーフィングス」の 場で、日本の人種差別撤廃提案 100 周年について、ショート・スピーチをいたしました。 また、2018 年 12 月 20 日には、テルアビブ大学で開催されたイスラエル日本学会(IAJS) による 3 日間にわたる大規模な国際シンポジウム『明治維新から 150 周年』において、同 趣旨の学会報告をしました。内容的にはともに東京裁判史観を根底から覆すようなもので あり、戦勝国クラブである国連や、主要な国際学会の場において、日本人の学者がこうし た趣旨のスピーチやプレゼンテーションを行ったのは初めてのことだと思われます。

さらに、当研究所は、2019 年 2 月 13 日に多くの識者と聴衆を集めて、日本の人種差別 撤廃提案 100 周年を記念する集会を開催いたしました。この日はちょうど 100 年前、日本 政府全権代表の牧野伸顕が国際連盟規約草案の前文に、人種差別の撤廃について盛り込む よう提案した日と同じ日に当たります。 最後になりますが、当研究所は、今回の安倍総理の国会所信表明演説が契機となり、わ が国が国際社会において人種平等運動に尽力してきたこと、そしてそれが国際的成果とし て結実した事実が、今後、国内外において、正当に顕彰されるようになることを願って止 みません。

<参考>

2019年(令和元年)10月4日 第200回国会における首相所信表明演説の該当部分

五 おわりに

百年前、米国のアフロ・アメリカン紙は、パリ講和会議における日本の提案について、 こう記しました。一千万人もの戦死者を出した悲惨な戦争を経て、どういう世界を創って いくのか。新しい時代に向けた理想、未来を見据えた新しい原則として、日本は「人種平等」を掲げました。

世界中に欧米の植民地が広がっていた当時、日本の提案は、各国の強い反対にさらされ ました。しかし、決して怯(ひる)むことはなかった。各国の代表団を前に、日本全権代 表の牧野伸顕は、毅然として、こう述べました。

「困難な現状にあることは認識しているが、決して乗り越えられないものではない。」 日本が掲げた大いなる理想は、世紀を超えて、今、国際人権規約をはじめ国際社会の基本 原則となっています。

今を生きる私たちもまた、令和の新しい時代、その先の未来を見据えながら、この国の 目指す形、その理想をしっかりと掲げるべき時です。

2019年8月3日
国際歴史論戦研究所(iRICH)
会長 杉原誠四郎
所長 山下英次

落星臺経済研究所に対する暴行事件に関する声明

 7月29日午後、ソウルの落星臺(ナクソンデ)経済研究所に男3人が来訪し、入り口のドアを足で蹴るなどしたうえ、李(イ) 栄薫(ヨンフン)理事長(ソウル大学名誉教授)と李(イ) 宇衍(ウヨン)研究委員の名を挙げて、「売国野郎」とか「親日野郎」などと罵声を浴びせかけるという極めて残念な事件が発生いたしました。この際、たまたま、研究所に居合わせた李 宇衍博士に唾を吐きかけるなどの暴行を働いたようです。

 われわれは、真の意味で、韓国の国としての名誉と尊厳を取り戻すために活動しておられる落星臺経済研究所の方々の勇気あるご努力に対し、心からの敬意を払っております。今後ともしっかりと、われわれのできることで、サポートしていきたいと考えております。

 韓国では、最近、駐釜山日本総領事館、産経新聞ソウル支局、フジ・テレビ(FNN)ソウル支局にも、何者かが侵入するという残念な事件が相次いで起きています。こうした暴力的なやり方で言論を封じようとするのではなく、民主主義的かつ人道的なやり方で問題の解決方法を探るべきです。われわれは、韓国の多くの方々が、あくまでも事実に基づいた冷静かつ論理的な議論を展開されることを心から願っております。