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著者:金柄憲

日本語版出版:文藝春秋社 (Amazonリンク

解題
 評者矢野は国際歴史論戦研究所上席研究員であり、陸上自衛隊陸将補を務めた後、岐阜女子大学、日本経済大学等で客員教授として教鞭を執る。専門分野である安全保障の観点から世界の国際紛争や日本国内に存在する歴史戦に対して日本の立場から数多くの提言を残すと共に、一般財団法人日本安全保障フォーラム会長を務めている。

 本書評は、『赤い水曜日』発行直後に日本国内での販売を後押しするためにAmazonのレビューとして記されたものである。

金柄憲氏は研究者として、また活動家として旧挺体協、現在の正義連が吹聴している「嘘」を暴き、言論と活動の現場で発信していることに対する孤軍奮闘のたたかいが多くの韓国の人々の共感を呼び、大きなムーブメントとなっていった。時に「慰安婦」強制連行を非難する集会では正義連を圧倒することもある。また、金柄憲氏は名古屋で行われた「表現の不自由展」や、フィラデルフィアの慰安婦像設置に併せて現地で韓国人の立場から韓国外でも反対運動を繰り広げた。

 金柄憲氏の主張と行動について、評者は日本人が真実の歴史に触れるばかりにとどまらず、韓国でなされている嘘の教育や対北政策に対する韓国国内における売国的行為に対するカウンターであるとした。

 また、評者はこれらが解決されることによって、日本と韓国の間に真の友好が芽生え、未来志向の発展と共に、共産主義勢力に対して自由主義陣営が勝ち抜くことの重要性を著した一冊であると評している。

日本語で出版されることによって保守的日本人の溜飲を下げるのみにとどめず、日本、韓国そして世界中の良識ある研究者や有識者が一致団結するきっかけとして、金所長が表明する憂慮に応えるためにも、さらに多くの言語での出版が望まれるところである。

当記事では、国際歴史論戦研究所 矢野義昭上席研究員によって書かれた書評を紹介します。

著者:金柄憲(国史教科書研究所)

和訳:宮本富士子
英訳:史実を世界に発信する会

解題

本論文の筆者である金柄憲(Kim byungheon)氏は、成均館大学(Sungkyunkwan University)漢文学科博士課程を修了した韓国史の専門家であり、現在は国史教科書研究所の所長として、韓国教科書の問題に取り組んでいる。

彼は元慰安婦と称する人々とその支持団体が主張する「日本政府による朝鮮人女性強制連行説」があまりにも事実を歪曲していることに義憤を覚え、2019年12月に在韓国日本大使館前で、元慰安婦をめぐるさまざまな「嘘」を告発する記者会見を行った。

以来、正義連(The Korean Council for Justice and Remembrance)(旧挺身隊問題対策協議会(The Korean Council for the Women Drafted for Military Sexual Slavery))が日本大使館敷地前で開く「慰安婦を称える水曜デモ」に対抗して、同じ場所で「反慰安婦団体デモ」を敢行し、慰安婦問題の虚構を訴え続けている。その活動範囲は韓国内に止まらず、昨年6月末には仲間と共にドイツのベルリンまで飛び、区内に慰安婦像設置を許可したミッテ区議会に抗議し、設置された慰安婦像の前で集会を開いて「慰安婦問題の嘘」をベルリン市民に訴えた。

さらに当国際歴史論戦研究所(iRICH)をはじめ、日本側の「慰安婦問題」の真実を追求する団体との協力も進んでおり、昨年8月に名古屋で開催された「表現の不自由展・その後」に対しては「なでしこアクション」と共に名古屋に駆けつけ断固とした抗議を行った。

また、同年11月にはIrichが東京で主催した、慰安婦問題の嘘を糺すための「日韓共同シンポジウム」に参加、韓国教科書に書かれた「嘘」を糾弾した。

同シンポジウムは本年9月にソウルで第二回目が開かれ、元延世大学(Yonsei University)教授の池錫春(Ji Seokchoon)氏や落星台経済研究所 (Naksungdae Institute of Economic Research)の李宇衍(Lee Wooyeon)氏らと共に韓国側代表として登壇し、慰安婦を巡る韓国小中学校の教科書の歪曲・捏造の実態を具体的に示し、これらを徹底的に批判している。

本論文は金柄憲氏が自己の主張するところを簡潔にまとめたものである。慰安婦問題の重要ポイントが網羅されており、元慰安婦や左翼市民団体の主張が、極めて論理的かつ緻密な分析によって完全に論破されている。 なお、本論考の英文、和文は「史実を世界に発信する会」からすでに公表されているので、ここではリンクを張っていることをご了解頂きたい。

本文(史実を世界に発信する会Webサイトより) 日本語 英語

著者:Jason Morgan(麗澤大学准教授)

著者プロフィール:
ジェイソン・モーガン、麗澤大学国際学部准教授、ウィスコンシン大学大学院博士号獲得(2016年、日本史)、1977年にアメリカ合衆国ルイジアナ州生まれ、専攻は日本史、東洋思想史、法哲学などです。専攻に興味を持った理由は、体験したさまざまな文化圏の歴史意識、法意識などが異なっていて、それぞれ比較する過程で歴史の影響、思想史、法哲学などの影響に気付いたことがきっかけです。

出典:Substack, A Massacre in the Making: Separating Truth from Fiction about Nanking

和訳:一二三朋子(国際歴史論戦研究所 上席研究員)

解題

南京において30万人が虐殺されたというありえもしないデマは、これまであたかも真実のように語られ、信じられてきた。モーガン氏の論考“A Massacre in the Making: Separating Truth from Fiction about Nanking  Think through the evidence for yourself”は、一方的で偏った英語の情報により語られ信じられてきた南京事件について、日本人による日本語文献を数多く紹介しながら、南京事件(南京物語)の背景を丹念に論究している。中でも池田悠『一次史料が明かす南京事件の真実―アメリカ宣教師史観の呪縛を解く』(2020 展転社)は、実は中国軍支援保護目的だった安全区・国際委員会を設立したアメリカ宣教師団こそが、南京事件の発信源であったことを究明した決定的な著作である。これまでの「南京事件」論争はついに決着を見たといえよう。池田の明らかにした南京事件の真実と同時に、アメリカの研究者が英語で紹介していることを、当の日本人はもっと知るべきであろう。

本文(PDF)