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進行中の「虐殺」: 南京に関する真実とフィクションを区別する

著者:Jason Morgan(麗澤大学准教授)

著者プロフィール:
ジェイソン・モーガン、麗澤大学国際学部准教授、ウィスコンシン大学大学院博士号獲得(2016年、日本史)、1977年にアメリカ合衆国ルイジアナ州生まれ、専攻は日本史、東洋思想史、法哲学などです。専攻に興味を持った理由は、体験したさまざまな文化圏の歴史意識、法意識などが異なっていて、それぞれ比較する過程で歴史の影響、思想史、法哲学などの影響に気付いたことがきっかけです。

出典:Substack, A Massacre in the Making: Separating Truth from Fiction about Nanking

和訳:一二三朋子(国際歴史論戦研究所 上席研究員)

解題

南京において30万人が虐殺されたというありえもしないデマは、これまであたかも真実のように語られ、信じられてきた。モーガン氏の論考“A Massacre in the Making: Separating Truth from Fiction about Nanking  Think through the evidence for yourself”は、一方的で偏った英語の情報により語られ信じられてきた南京事件について、日本人による日本語文献を数多く紹介しながら、南京事件(南京物語)の背景を丹念に論究している。中でも池田悠『一次史料が明かす南京事件の真実―アメリカ宣教師史観の呪縛を解く』(2020 展転社)は、実は中国軍支援保護目的だった安全区・国際委員会を設立したアメリカ宣教師団こそが、南京事件の発信源であったことを究明した決定的な著作である。これまでの「南京事件」論争はついに決着を見たといえよう。池田の明らかにした南京事件の真実と同時に、アメリカの研究者が英語で紹介していることを、当の日本人はもっと知るべきであろう。

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