関連団体「南京の真実国民運動」は、2024年12月20日、中国大使館宛に「南京事件はあったとする、中華人民共和国駐日本国大使館のXに対する抗議」を送付しました。
月: 2024年12月
対中問題 世界の中国系人々は中国政府に反抗せよ
【英語版】https://en.i-rich.org/archives/2225
国際歴史論戦研究所 会長 杉原誠四郎
2024年9月18日、中国の深圳で、日本人学校に通う日本人の親子が44歳の中国人男性に襲われ、男児が刺されて死亡するという事件が起きた。
これは1989年に中国共産党総書記に就任した江沢民によって始められた愛国教育によって始まった特定国家に対する敵対教育によるものである。つまり日本に対してなされた反日教育の成果といえるものだ。天安門事件などによる民主化運動を鎮圧して、中国における中国共産党の支配の体制を維持するための手段として反日教育を始めたのであった。
現在の国家の有り様について考えると、政治権力掌握者を国民の意思によって定期的に交替させ、国家の意思をほぼその構成員たる国民の意思の下に形成する民主国家の在り方がある。古代国家では選挙自体が不可能であったが、それが可能となった今日にあっては、選挙を通じて国家の意思は国民の意思の下にあるべきだというのは、法の進化という観点からも正しいことであろう。
が、今日、共産党等の特定の政治集団及び人物が政治権力を掌握して、それらの権力掌握の集団、人物によって国家の意思を形成する専制国家が存在している。
その両者の得失を比較すると、例えば戦争抑止という点では、民主国家の方が明らかに優れている。
かつて国民自身が好戦的でありえた時代があったが、第二次世界大戦を経て戦争の悲惨さを歴史的体験として体験してきた今日、また戦場の状況をテレビやスマホで身近に見ることができるようになった今日、国民は原則的には好戦的であることはできなくなった。というのも、戦争を始めて戦場で死の危険に遭うのは国家を形成している国民のうちの誰かであり、それを身近に感じれば、国民の間に戦争を忌避する傾向が生まれるのは必然である。それが国家の意思に反映し戦争の抑止に効果するのである。
他方、専制国家では、政治権力の権力掌握の集団、個人は、国家の意思として戦争を始めたとき、自らは死の危険に遭遇することはない。したがって、それだけ戦争への抑止が弱くなる。さらに国民の委託を受けていないその支配の体制たる専制体制を維持するために、国民を緊張させる必要があるとしたとき、その手段として戦争に訴える可能性を持っている。したがって専制国家は戦争を抑止する力がそれだけ弱い。
これを、特定国への敵対教育で考えてみると、21世紀の国際平和を考えれば、そのような特定国への敵対教育はそれ自体望ましいものではないというのは論を俟たない。専制国家では、その国家で権力掌握集団及び個人が、その国家における国民への専制支配の体制の維持自体を目的として政策を立てなければならなくなり、そのために政治上の権力行使が行われる。国家の利益のためだと権力掌握者は言うけれども、結局は体制を維持して権力掌握集団、個人の利益を図るためのものであるほかはない。
そして専制国家は、その専制体制の維持のための必然の結果として国民の自由を認めることができない。結果、結局は国民を抑圧することになる。
現在の中国国民は、反日教育に冒されて日本に対して激しく憎悪しながらも、権力掌握集団または人物によって自由を奪われ、その抑圧に喘いでいるのだ。
そこで世界の中国系の人々への提案なのだが、現在、世界では、アメリカやオーストラリア等で、それぞれの国の国籍を持って中国政府の支配を受けていない中国系人々が大勢いる。その人たちが、驚いたことに、時折、中国政府の対外謀略活動に協力して、反日教育を煽ったり、中国政府の戦狼外交に協力したりすることがある。
だが、考えて欲しい。こうして中国政府を支援することは、中国本土にいる同朋の中国人が一方的に自由を奪われ、喘いでいるのを放置し、さらには維持、強化していることになるのではないか。もしこうして中国政府に協力するならば、彼ら、中国本土にいる中国人の自由をいっそう奪い、喘ぎ苦しむのをいっそう深刻にしていることになるのではないか 世界に散っている、中国国籍以外の国籍を持っている中国系の人々は、まさに現在の中国政府の有り様を批判し、反抗することが、中国本土にいる同朋の中国人を助けることになり、そのうえさらには世界の平和に尽くすことになるのではないか。そのことを中国国籍以外の国籍を持っている世界の中国系の人々に訴えたいのだ。
国連女子差別撤廃委員会に参加して~勧告守って国滅ぼすな
【英語版】https://en.i-rich.org/archives/2281
国際歴史論戦研究所 所長 山本優美子
2024年10月にジュネーブ国連にて女子差別撤廃委員会89セッションが行われ、8年ぶりに対日本審査会が行われた。私もNGOとして参加し、協力関係にあるいくつかの団体と共に現地で活動した。委員会は会期後に日本政府への総括所見を発表。その中で、男系男子皇位継承を定める皇室典範の改正を含めた様々な勧告を記した。
条約の委員会とNGO
国連の人権条約の委員会では、国の現状に不満を持っているNGOが制度や法律を変える目的で活動する。彼らは何らかの人権問題の被害者又は支援者として委員会に訴える。委員は、市民は国家から抑圧されているものだという前提でNGOの意見に寄り添う。弱者を救済するのが世界各地から選ばれた人権エキスパートの委員の仕事だ。
人権条約を締結した国は、条約の委員会から数年毎に条約の履行状況を審査される。審査会には、NGOと称すれば誰でも参加することが可能だ。手続きを踏めば、委員会に意見書を提出できるし、ジュネーブ国連での会合で発言も出来る。
この対国連活動に熱心なNGOは所謂左派リベラルの市民団体だ。特に日本の場合は、他国に比べて参加するNGOの数が断然多い。今回の女子差別撤廃委員会では、事前に40以上のNGOが意見書を提出。ジュネーブの会合で発言したNGOはおよそ30団体、対日審査会の参加者は100人近くいた。このうち当研究所を含め我々が関係する所謂保守系NGOは6団体13名。つまり、9割近くが左派NGOとその関係者ということになる。これも10年前まで保守系はゼロであった。
委員会が総括所見で発表する勧告には法的拘束力はないが、国連信仰の深い日本では絶大な効果がある。「国連勧告」を履行しなくては国際社会から後れを取ると勘違いする人が多いからだ。
条約があるから勧告がある
既に総括所見で勧告された問題について反論し、勧告を取り下げさせるのは非常に難しい。何故なら勧告は条約に沿ったものだからだ。例えば日本軍慰安婦問題。慰安婦は強制連行もされていないし性奴隷でもなく契約に基づく公娼であったと説明しても、元慰安婦への救済措置を求める勧告は変わらない。それは、女子差別撤廃条約の第六条に「女性の売春からの搾取に対して適当な措置をとる」とあるからだ。夫婦別姓は家族の絆を損ない戸籍制度が無くなると反論しても、やはり夫婦別姓が勧告される。第十一条に「姓を選択する権利」があるからだ。
六十のパラグラフからなる今回の総括所見には、他にも様々な勧告が記されている。例えば、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)の名の元に、16歳の女児から避妊・中絶・堕胎薬を保護者や配偶者の同意なくできるように勧告されている。これも第十二条「家族計画に関連する男女平等の保健サービスを享受する」に沿った勧告なのだ。
皇室典範への勧告
日本は1985年に女子差別撤廃条約を締結したが、締結前の国会(5月29日、第102回衆議院外務委員会)で当時の安倍晋太郎外相は条約と皇室典範との関係について次のように述べている。
「皇位継承資格が男系の男子の皇族に限られていることは、本条約第一条に定義されているところの女子に対する差別には該当しない。」
日本政府は条約締結前から、皇室典範との関係について疑問の出る可能性があることを認識していた。
2001年に愛子内親王が誕生され、2年後の2003年、対日審査会でフィリピンのマナロ委員から初めて皇室についての質問があった。
「皇室と日本政府は、プリンセス愛子が女性天皇になるように法を改正することを検討したことがありますか?」
この時の総括所見では、皇室典範は取り上げられなかった。
2016年の対日審査会では、皇室典範の話は一切出なかった。にもかかわらず、会期後に発表されようとした総括所見に「皇室典範の男系男子は女性差別」という勧告が盛り込まれそうになった。議論されなかった問題を総括所見で扱うのは手続き上問題がある。日本政府からの抗議もあり、公開前に削除された。
次に不意打ちが起こった。2020年3月9日付で委員会が発表した「日本政府への事前質問リスト」に突然、皇室典範について「女性の皇位継承が可能になることを想定した措置についての詳細を説明せよ」との質問が記された。日本のNGO「公益社団法人 自由人権協会 」が提出した意見書「皇室典範が天皇となりうる者を男系男子にしか認めないのは、女子差別撤廃条約の差別の定義に該当する」を委員会が取り上げたのだ。
この事前質問リストに対して、日本政府は2021年9月、第9回政府報告書で次のように回答した。
「我が国の皇室制度も諸外国の王室制度も、それぞれの国の歴史や伝統を背景に、国民の支持を得て今日に至っているものであり、皇室典範に定める我が国の皇位継承の在り方は、国家の基本に関わる事項である。女性に対する差別の撤廃を目的とする本条約の趣旨に照らし、委員会が我が国の皇室典範について取り上げることは適当ではない。」
2024年10月にジュネーブで行われる対日審査会において、皇室典範が扱われることは事前に分かっていた。頼もしいことに「皇統(男系男子)を守る国民連合の会」(葛城奈海会長)が対委員会活動に取り組むこととなった。事前意見書提出、現地での会合に参加し、公開会合でのNGO発言、追加意見書提出、パンフレットを委員たちに直接手渡して説明もした。皇室典範が女性差別とは全く関係ないという資料や情報は委員に充分伝わったはずだ。
それにも関わらず委員会は、会期後に発表した総括所見で皇室典範について日本政府に対し次のように勧告した。
「委員会は締約国に、皇位継承法の男女平等を確保するように改正した他締約国の良い取組に注目し、皇位継承に男女平等を保障するよう皇室典範の改正を勧告する。」
委員会は、皇室典範は条約の第1条「いかなる分野においても男女の平等」と第2条「男女平等の実現を法律の手段による確保」に関わる問題とした。委員会は勧告にあたって、締約国の国柄、文化、伝統、歴史は考慮しないことが改めて明白となった。
勧告守って国滅ぼすな
私が最初にジュネーブの国連に行ったのが2014年、自由権規約委員会の対日審査会であった。慰安婦は性奴隷とする委員会に、性奴隷ではないとう主張を伝えるためである。委員は世界各地域から選ばれた有識者だ。彼らは日本の左派の情報しかインプットされてこなかったが、我々が正論で真実を伝えれば少しは理解してくれるだろう、と期待していた。その後、いくつかの条約の委員会での活動を経た上で今回良く分かったのが、問題は条約にあることだ。委員は条約に則って勧告を発するのが仕事だ。その委員はリベラル・フェミニスト思想である。赤い条約の下、赤いエキスパート委員が、赤い日本のNGOの意見を取り入れ、赤い勧告を発するのが委員会なのだ。反論を聞きはするが取り入れることはない。
女子差別撤廃条約を締結したまま、委員会の審査と勧告を受け続けるのが日本にとって良いのか。締約国でなければ審査も受けず、勧告もされない。皇室への尊敬の念など全くない今回の皇室典範改正の勧告だけでも、条約を廃棄する充分な理由だと考える。ジュネーブ国連の対日審査が行われる会議室のあの異様な雰囲気を経験して、日本があの空気に覆われて日本でなくなっていくのは絶対に避けたい。
