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『慰安婦性奴隷説を ラムザイヤー教授が完全論破』

著者 ジョン・マーク・ラムザイヤー

和訳 藤岡信勝(編訳)、山本優美子(編訳)、藤木俊一、茂木弘道、矢野義昭
出版 ハート出版 (2023) (Amazonリンク

解題

ハーバード大学教授ジョン・マーク・ラムザイヤーは「法と経済」の分野の研究者で、日本の年季奉公制度(英語ではindenture)と芸娼妓契約の構造を「ゲーム理論」によって分析した論文を1991年に発表した。その後いわゆる慰安婦問題が世界的に広がる中で、2020年には「太平洋戦争における性サービスの契約」という論文を公表した。これに対し韓国を震源地としてアメリカを中心にラムザイヤーへの個人攻撃が始まった。

 慰安婦に関する日本の研究が英語圏で知られなかったこともあって、欧米では「慰安婦=性奴隷」という嘘が通念として定着していた。ラムザイヤー論文が登場すると、欧米の学者たちは論文の中身を批判するのではなく、ラムザイヤーへの個人攻撃と論文の撤回を要求したのである。研究者でありながら、歴史の真実に向き合うことを拒否しているかのような態度であった。

 本論文は国際歴史論戦研究所の上席研究員・藤岡信勝が『産経新聞』の「正論」欄に寄稿したもので、2023年12月25日に同紙に掲載された。英訳版は英語発信メディアのJAPAN Forward が2024年1月10日に発信したものである。

日本ではラムザイヤーの4つの論文を5人の翻訳者が協力して翻訳し、『慰安婦性奴隷説をラムザイヤー教授が完全論破』と題して2023年12月にハート出版より刊行された。この翻訳・編集作業の中心を担った藤岡信勝は、1943年北海道生まれ。東京大学教授、拓殖大学教授を歴任。1996年中学校の全ての歴史教科書に「慰安婦強制連行」の嘘が掲載されたことに憤激した人々によって結成された「新しい歴史教科書をつくる会」の中で中心的役割を果たしてき者の一人である。

 ラムザイヤーは1954年アメリカ、シカゴ生まれ。生後6か月のとき、父親の仕事の関係で来日し宮崎県の小学校を卒業。高校まで日本で過ごしたのち、大学入学の際にアメリカに帰国。1998年からハーバード大学教授。日本語は極めて堪能。2021年、慰安婦論文がもとでバッシングを受けたとき、国際歴史論戦研究所は支援のため「学問の自由を守る」緊急シンポを開催し励ましの熱いエールを送った。それ以来、ラムザイヤー教授と当研究所との交流が続いている。

日本語版 産経新聞「正論」欄 ラムザイヤー教授の不屈の言論(藤岡信勝)
英語版  Japan Forward "Comfort Women: Professor Ramseyer's Indomitable Argument" by Nobukatsu Fujioka