記者会見
『赤い水曜日』発刊と韓国の慰安婦運動の実態と新たな展開の報告
[日時] 2022年(令和4年)11月17日(木)午前11時
[場所] プレスセンタービル9階 大会議室 (東京都千代田区内幸町2丁目2-1)
[会見者] 金 柄憲 (キム・ビョンホン)
プロフィール:成均館大学校漢文学科の修士および博士を修了。韓国の歴史学者、大学講師。韓国国史教科書研究所所長、慰安婦法廃止国民運動代表、国史問題研究所理事を務めている。2019年度から、在大韓民国日本国大使館前の少女像撤去を求める集会を開いており、2022年1月には経済学者である李宇衍氏などと慰安婦詐欺清算連帯を結成。近著の「赤い水曜日、30年間の慰安婦歪曲」日本語訳は文藝春秋から発売中。
令和4年11月17日
金 柄憲
声明文
『赤い水曜日』発刊と韓国の慰安婦運動の実態と新たな展開の報告
こんにちは。私は韓国から来た国史教科書研究所所長であり『赤い水曜日、30年間の慰安婦嘘』の著者、金 柄憲(キム·ビョンホン)です。 今日私がこの場で皆さんに私の心血を注いだこの本を紹介できることにこの上ない栄光を感じております。
本書は2021年8月、韓国で発刊された『赤い水曜日』の日本語版で太平洋戦争時の朝鮮の時代背景と挺身隊問題対策協議会が発行した慰安婦証言集とを分析し、挺対協(現「正義記憶連帯」)を中心に展開されてきた慰安婦問題が如何に倭曲·捏造されてきたかを追跡し整理した本です。
ご覧のとおりこの本は380ページにもなります。 実際は、韓日間の慰安婦問題の実状を理解するのにこんなにも多くの分量は必要ではありません。 「慰安婦は所定の代価を受け取って性的サービスを提供した性労働者であり、当時慰安婦たちは大部分貧困の故に親によって売られたり、家族の生計のために苦労の道を選ばざるをえなかった、という歴史的事実を認めればそれで済むことなのです。 にもかかわらず、こんなにも分量が多い理由は、正義記憶連帯をはじめ慰安婦運動市民団体が30年間行ってきた嘘をひとつひとつ明白にしなければならなかったからです。
慰安婦問題は、日本の吉田清二という人物の虚偽証言から始まり、韓国の正義記憶連帯がこれを拡大再生産し、国連をはじめとする国際社会が公信力を付与した国際詐欺事件です。 もし、これらの人物と団体、そして国際機関が慰安婦問題についてただ真実だけを発信してきたのなら、この本は世の中に出る必要はなかったはずです。
この本は、偽の慰安婦 李 容洙 (イ·ヨンス)の嘘を追跡することから始まります。 現在慰安婦運動の代表走者である李氏は1990年代初期証言で「ある男がくれた赤いワンピースと革靴に魅せられて、気軽について行った」と話しています。 そして「大邱から私たちを台湾まで連れて行った男が慰安所の主人だった。 私たちは彼をオヤジと呼んだ」と言いました。 ところがある時から、「寝ていたところ日本軍に連れて行かれた」、「神風特攻隊に連れて行かれて電気拷問を受けた」という風に完全に変わります。 問題は、初期証言にはなかった李氏の証言に日本軍が登場したことによって、貧困故の問題が日本軍の戦争犯罪に変質したという事です。
初期の李 容洙氏の証言どおりならば、李氏は日本軍慰安婦ではないうえに「慰安婦被害者法」で定義された「日本軍慰安婦被害者」にもなれません。 なぜなら「慰安婦被害者法」で定義された「日本軍慰安婦被害者」の前提条件が「日本軍による強制動員」なのですが、李 氏は日本軍によって動員されてはいないからです。 これは友人らと金を稼ぐために自ら鴨緑江を渡って中国に行ったと証言した吉 元玉(キル·ウォノク)氏も同様です。
この2人の女性に関して、私たちの団体では2021年2月に、「彼女らが果たして日本軍によって強制動員された被害者であるかどうか」を調査してほしいという趣旨の監査を請求したことがあります。しかし結果は棄却でした。 監査院では「李 容洙氏と吉 元玉氏が日本軍に強制動員されたのは事実」とし、その根拠として監査院は1993年の河野談話と2021年の1月8日付の慰安婦損害賠償判決文を提示したのです。 しかし、河野談話は日本軍の慰安婦強制動員を認めてなく、またこの二人の名前さえ言及しませんでした。
また、監査院は別の証拠としての2021年1月8日慰安婦損害賠償請求訴訟判決文に慰安婦動員と関連して日本軍が①女性を暴行、脅迫、拉致して強制動員する方法、②地域の有志、公務員、学校などを通じて募集する方法、③「就職させてあげる、たくさんお金が稼げる」と欺いて募集する方法、④募集業者に委託する方法、⑤ 勤労挺身隊、供出制度を通じた動員方法などを利用したとしましたが、これらすべては歴史的事実ではありません。
特に、判決文には「慰安婦が逃走する場合、日本軍が直接追撃して逃走した「慰安婦」を再び慰安所に連れてきて射殺したりしたとありますが、これもやはり証拠のない嘘です。 監査院だけでなく司法府までが嘘をついたのです。
次に大きく取り上げたのは、韓国の小中高の学校の教科書に記載されている慰安婦問題です。歪曲捏造された慰安婦に関する情報が学校の教科書を通じて毒キノコのように広がっているからです。 これは日本も同じことでしょう。 韓国の小学校から高校に至るすべての生徒が教科書を通じて今も尚、歪曲·捏造された慰安婦の話を学んでおり、5~7年周期で教科書が改編されるたびにその分量もさらにもっと増えているのが実情です。
このように教科書に収録された慰安婦記述は、次の2つの点で大きな問題を抱えています。一つは学生たちに真実の歴史ではなく偽りの歴史を教えるという点です。 教科書に収録されている慰安婦に関する記述はすべて嘘です。 もう一つは、まだ肉体的·精神的に未成熟な幼い生徒たちに成人の領域である売春婦関連テーマを教えるという点です。 これは、子供たちに対する情緒的虐待であり、人権侵害です。
これまで私が申し上げたことについて多少疑問に感じる方もいるかと思います。 しかし、私は歴史研究者として、慰安婦問題が最初から最後まで嘘であることを知った以上、黙っているわけにはいきませんでした。 また、歪曲された情報をもとに制作された少女慰安婦像が、国内だけでなく外国にまで建てられている現実を傍観することはできません。
慰安婦問題に対するこの果てしない嘘は、韓国と日本に限ったことではありません。西欧の有名学者たちでさえ慰安婦の実体をまともに知ることもできず「戦時性暴力被害者」と躊躇なく言います。 しかし、残念ながらこのような主張をする学者のほとんどは当時の朝鮮社会に対する理解が不足しているうえに慰安婦たちが残した証言集さえも読んでいない人たちです。
慰安婦問題についての嘘は、今や国連という国際機関や有名学者の主張に支えられ、世界的な嘘に飛び火しました。 しかし、30年間続いてきた慰安婦問題は、正義記憶連帯が慰安婦経歴のあるかわいそうな老人たちを前面に出して国民を欺き、世界の人々を欺いた国際詐欺だという事実は明らかです。 『赤い水曜日』は、これらの慰安婦詐欺を終わらせるために発行されました。
韓国語版に続く日本語版発刊をきっかけに30年間騙されてきた韓国と日本の多くの国民が慰安婦問題に対する正しい認識を持つようになることを心から願ってます。
私たちが慰安婦問題に対する歪曲と捏造を取り除き真実に向き合う時こそ、韓国と日本は葛藤と対立から抜け出し、和解と協力の未来に進むことができると確信しています。
ありがとうございました。
以上
記者会見『赤い水曜日』発刊と韓国の慰安婦運動の実態と新たな展開の報告
日韓情報(ゆんばん)赤い水曜日記者会見プレスセンターから